令和7年 乙巳(きのとみ)昭和100年の年頭にあたって
皆様、改めまして、新年おめでとうございます。
今年、昭和40年(1965年)生まれの私は還暦を迎えます。ということで、今年は昭和100年。昭和・平成・令和と時は流れ、私も区議会・都議会・国会と、働く場所が変わりました。
順風満帆とは言い難い今までの政治人生でしたが、結果として現在、衆議院東京12区の代表として、貴重な一議席をおあずかりし、国政に参画することができているのは、数え切れないほどたくさんの方々のお世話になったからにほかなりません。
すでに鬼籍に入られた方も少なくなく、ふとした瞬間に思い出がよぎることがあります。過去も今も、たくさんの方々のお力をいただきこの場にいることを自覚しながら、今年も国家と国民と地元のために、精一杯努めていく決意です。
■60年前のわが国はどんな様子だったのか
十干十二支で今年は乙巳(きのとみ)。解説書によると、
「「巳」は蛇のイメージから「再生と変化」を意味し、脱皮し強く成長するその生命力から「不老長寿」を象徴する動物、または神の使いとして信仰されてきた。 この2つの組み合わせである乙巳は、「努力を重ね、物事を安定させていく」といった縁起のよさを表している」とのこと。
一方で、昨年末からの様々なニュースは、世界もわが国も、前途多難な一年になるかもしれない、と思わせるものが多いように感じます。十干十二支は60年に一度回ってくるので「還暦」なのですから、年頭に60年前の昭和40年の出来事を改めて振り返ってみるのも意味があるのかもしれません。
この年、ベトナム戦争が激しさを増し(北爆の本格化)、日韓基本条約が締結され、不況対策のための戦後初の赤字国債の発行決定、これ以降、戦後最長の「いざなぎ景気」へと入っていくことになりました。
60年たって、内外ともに同じような現象を学びに変えていくことは必要なことではないでしょうか。
特にわが国経済は、この時の対処法、公共事業の前倒しと国債発行による景気のてこ入れを参考に、今なら減税や社会保険料などの軽減も絡めて、一気にデフレ完全脱却へのギアを上げるべきと確信します。
今の時代、人手不足による供給力の問題がありますので、単に公共事業を増やせば良いというものではありません。
DXや省人化投資を進めつつ、それも含めた総需要の創出と供給力の増強を目指し、可処分所得の増加によって一人ひとりが豊かになる政策を実現するのが、60年前の振り返りから、同じ乙巳の今年の目標であるべきと考えます。その上で、世界の中で輝き続ける国を目指して努力していきたいと思います。
■「災害列島」とも言われるわが国に必要なこと
自然災害からわが国を護ることも、能登半島地震から丸一年の今年の課題です。自然災害は人間の力では防ぐことができませんが、事前防災や被害の軽減はできるはずです。
したがって、私たちや行うべきは、①自然災害発生の可能性予測の精度向上、②自然災害が発生しても、被害を最小限にとどめる、国土強靭化を含む事前の減災努力と技術力向上、③自然災害発生後の人命救助及び復旧に必要な十分なインフラとマンパワー確保、④復興に必要とされる十分なヒト・モノ・カネ・知恵の準備、⑤いずれの段階においても、政治の迅速な意思決定と実行力、などがあげられます。
石破総理肝いりの「防災庁」は、それができただけでは意味をなしません。どんな役割を担わせるのか、人員や指揮命令系統をどうするのか、自衛隊や地方自治体との関係は…などなど、機能させるための課題は山積しています。今後の詳細な制度設計の議論が待たれます。
■不透明な世界に光明は見出だせるのか
わが国衆議院が少数与党となったことや中東・ウクライナの情勢だけでなく、昨年後半から世界中の政治が一気に不透明感を高めつつあります。
米国トランプ大統領の再選、シリアのアサド政権の崩壊とHTSによる新体制の誕生、韓国のユンソンニョル大統領の戒厳令発令から韓国政治の大混乱、台湾民衆党柯文哲党首の汚職による党主席辞任、ドイツのショルツ首相信任投票否決による解散総選挙、フランス・カナダ・オーストリアでも政治が不安定化しています。
一方、ロシア・中国・北朝鮮・イランなど、いわゆる独裁国家は、その首領の考え通りに、わが道を突き進んでいる感があります。
世の中の時間と空間が狭まっていく中で、「熟議」は民主主義において極めて重要とは知りながら、また政治手法としての独裁的制度が良いとは全く思わないながら、しかし結論までの時間が長い民主政治の短所を、私たちはどのように補っていくことができるのか。
私たちにとっての試練であり、大きなテーマの一つです。
■わが国の価値を見誤らないように
そうした世界の混乱の中で、少しだけマイナーチェンジを施せば、あらゆる面で優位な条件を持っているのは、実はわが国であると私は確信しています。
美しい自然と温暖な気候、悠久の歴史と豊かな文化、優秀な人材と技術力の高さ、正直で勤勉な日本人の国民性、高度に整った社会インフラと治安の良さなど、失われたものもたくさんありながら、相対的には世界で最も先進的で安定している国であることは間違いありません。
そのわが国の「少しだけのマイナーチェンジ」とは、わが国の長所を伸ばし、国家をスムーズに運営していくために、政治の不安定感を取り除くことに尽きると思います。そのために、自民党を改革し、自民党を正しく強く引っ張っていくリーダーをつくることが、今まさにわが国に問われていることなのではないでしょうか。
「強いリーダー」とは、広く国民の支持を得られるリーダーであり、それはすなわち選挙に強いリーダーでもあります。
そのためには
①政治とカネの問題に終止符を打ち、クリーンな自民党をつくる
②保守の正しい政策を実現する
③最新の正しいマクロ経済政策を採用し、経済成長できる国、賃金の上がる国をつくる
④税と社会保険料などの国民の負担を減らし、年金生活者を含む国民の可処分所得を増やす
⑤安全で安心して住める国、治安に不安のない国をつくる
主にこうしたことを実現できる自民党でなければならず、そのための強いリーダーが必要です。
今年はさまざまな困難が予想されますが、上記のような目標を持ちながら、日々の活動に邁進していきます。
本年もよろしくお願い申し上げます。