都議選の低投票率が意味するところ
7/4(日)投開票の東京都議会議員選挙。結果として勝者なき戦いとも言われ、自民党が8議席増やしたとはいえ、私自身の感覚も喜びより悔しさが勝っています。
それでも、地元北区はわが党公認・やまだ加奈子都議が2期目の当選。とても嬉しく意味あることでありました。ご支援いただいた全ての皆様に、心から感謝御礼申し上げます。ありがとうございました。
やまだ都議には、有権者との約束を一つ一つ着実に実行し成果を出していただき、北区を代表する都議会議員として存分に活躍して欲しいと、心から願っています。
今回の選挙で自民党は、60人の候補者を擁立し、33人が当選、27人が落選しました。改選議席25から8議席増やし、都議会での比較第一党は確保したものの、目標の自公で過半数には遠く及びませんでした。その原因は一つではなく、今後明らかになっていくでしょう。
注目すべきは今回の低投票率です。
東京都選挙管理委員会の発表では、今回の投票率、①都全体(42.39%)、②区部(42.60%)、③市部(41.9.%)、④郡部(37.16%)、⑤島部(54.43%)で、50%超えたのは島部だけです。
因みに前回は①51.28%、②51.13%、③51.54%、④47.89%、⑤66.08%。地元北区だけ見ても、前回57.16%から今回47.03%と、10%以上ダウンしています。それでも北区は区や都の平均投票率より、毎回はるかに高いと言われています。
この兆候は何を意味するのでしょうか。有権者の投票行動はその理由を含め一定ではないので、選挙に直接かかわっていた体感として推測する他無いのですが、少なくとも「天気が悪かった」のが主な理由ではないと思います。
平成21年7月、麻生政権末期の都議選を戦った私としては、今回を含め、あの時の選挙以上の逆風を感じたことはありません。忘れられない体験として、赤羽駅前で演説中、マイクを持って話をしている私に罵声を浴びせる人が一人二人ではなかったことです。
普通は演説している候補者にそのようなことをする人はいないのですが、あの時は何度もありました。小泉政権→第一次安倍政権→福田康夫政権→麻生政権と、あの当時、一年ごとに目まぐるしく替る政権に対して、有権者の怒りが爆発したのだと思いました。その結果都議選は惨敗、その後の任期満了・衆議院選挙で自民党が大敗し、政権交代により民主党政権になりました。
今回の都議選はあの時の雰囲気とは全く違い、そのような有権者の怒りが直接私たちにぶつけられることは稀で、むしろ素通りしていく人々の自民党政権に対する失望、諦め、拒否感のようなものを感じる日々でした。そこに低投票率の要因があり、普段投票に行っている人たちが、今回は投票に行かなかったように感じます。その多くは、投票所に足を運んでいただければ、自民党候補の名前を書いていただける確率の高い方々だったのではないかとも思います。
一地方選挙とはいえ、コロナ禍における首都の選挙で支持を伸ばせなかった自民党。それは戦略戦術もさることながら、自民党政権が大きな視点で国家と国民をどのように護っていくのか、具体的にはコロナ・ワクチン対策、外交・安全保障、災害・防災対策、国土強靭化など、わが国にとって喫緊の課題であるそうしたことに応えられていないと、国民が感じているからではないでしょうか。各候補者、各陣営の責任というにはあまりにも酷な、政権全体の問題と感じます。
都議選が終わり公務に復帰した7/6(火)、13:00から行われた自民党政調全体会議で、私は上記のような主旨のことを都議選を戦った一人として発言しました。
衆議院選挙も目前です。信頼回復に近道はなく、一つ一つの政策をきちんと積み上げていく以外にありません。特に私はコロナ禍のいま、自民党が改めて保守政党としての矜持と、例えば以下のような政策の実現を国民に示さなければ、信頼回復にはつながらないと考えます。
- まず、皇室の安寧を願い、伝統に基づいた皇位継承が盤石な体制となるよう、政治が努力を怠らない
- 国家存立の危機を招かないよう、安全保障関係予算を劇的に増やし、中国との軍事格差を縮める
- 国民の命と健康を護ることは国家最大の使命との決意で、コロナに限らず新たな感染症に関する国主導のワクチン及び特効薬の開発・認可・生産体制の構築
- 産業基盤、戦略物資、サプライチェーンの国内化等、経済安全保障の再構築
- 現実的な国益に即した脱炭素化、特に電力供給における脱炭素化の観念論を排し、原子力発電の安全な稼働への取り組み
- 国の宝である子ども関係予算(不妊治療・出産・子育て・教育等)を劇的に増やし、人生100年における子供時代を守り育む政治の実現
- 以上を実現するため、またわが国の健全な内需主導の経済成長と賃金上昇の流れをつくるため、「限られた財源論」をやめ、少なくともコロナ収束のめどが立つまで緊縮財政と決別する
これ以外にも、憲法改正、外交政策、国土強靭化、デジタル改革、コロナ経済対策など、数限りなく実行すべき政策課題がありますが、国家的課題である上記のうちの一つでも二つでも、早急に実行すべきです。この選挙期間中、「自民党しっかりしろ!」との叱咤激励を何度いただいたことか。これが今まで自民党を支えてくれた、本当の国民の声に違いありません。
次の衆議院選挙で政権交代が起これば、立共(立憲民主党と日本共産党)合作政権になることは間違いありません。わが国が不幸になる、そんな左翼政権を誕生させないために、私たちがどれだけ努力できるのか。全ては自民党と政権の責任です。
衆議院はあと数か月の任期。私自身の力は小さいですが、残りの期間、あらゆる場面で全力で戦ってまいります。
「自民党しっかりしろ!」に託された、多くの国民の願いを実現するために。