8月15日に思う
昨日は終戦後71回目の8月15日。
例年通り、午前10時から靖国神社の昇殿参拝。その後、今年は都議会自民党幹事長として招待を受けた、東京都戦没者追悼式に参列いたしました。
毎年8月が来ると、先の大戦により起こったさまざまな出来事を意識し、わが国と世界の平和を願う気持ちが、一層強くなります。戦後世代の私たちがそうした思いを強くし、平和をつくる具体的な努力を誓うのが、8月15日であるべきと考えます。
ところで、先の大戦に関する書籍の中で、私が最も優れていると思うのが、山岡荘八の『小説 太平洋戦争(全9巻)』です。同氏の著作は『徳川家康(全26巻)』が有名ですが、それに次ぐ長編が同書。歴史小説家と思われがちな山岡ですが、戦前は従軍記者でもあったことから、同書の描写は精緻を極め、時として読み進めていくのが苦しくさえなり、A級戦犯が裁かれた後の、関係者の努力にも心を打たれます。戦争の悲惨さや人々の苦しみが、戦争を知らない私たちにも文字を通して伝わってきます。若い人たちにも是非手に取っていただきたい一冊です。
そしてもう一つ、私には戦争に関する忘れられない書籍があります。地元の後援者が自費出版した『故き父に捧ぐ』(非売品)というものです。この方のお父様は昭和20年5月10日、フィリピン・ルソン島の激戦地の一つ、バレテ峠で戦死されたと書かれています。戦地から家族にあてられた手紙を中心に編集された同書は、まさに一兵士から見た先の大戦の様子を、涙無くては読めないほど極めてリアルに伝えています。
300万人以上と言われる、国策に殉じて散華した先人たちの無念を、私たちはどれほど感じ、今の時代を生きているのでしょうか。何不自由ない現代の礎をおつくりいただいた先人に対して、誠に申し訳ないことですが、私はただ感謝の念とともに、自分の役割を自分なりに認識し、一生懸命生きていく以外にないと感じます。日頃は意識下にあるそうした思いを再確認し、私の8月15日は今年も過ぎて行きました。