二つの「緊急要望」を通じて感じたこと
去る4月4日、東京都知事宛に、二つの緊急要望を提出しました。
〇豊洲市場の公開に関する緊急要望
http://www.togikai-jimin.jimusho.jp/wp-content/uploads/2017/04/市場公開(緊急要望).pdf
〇入札契約制度改革に関する緊急要望
http://www.togikai-jimin.jimusho.jp/wp-content/uploads/2017/04/入札制度(緊急要望).pdf
豊洲市場についてはすでに指摘したとおり、正しい情報を都民に伝えるためにも、一日も早く公開されるべきです。
入札契約制度改革については、関係者の意見聴取などは一切行われず、この6月から制度の大幅改正が一方的に発表されましたので、早急に関係業界などとの意見交換を行うよう申し入れたものです。都議会財政委員会への報告も、早急に行われるべきです。
(今回の都政改革本部における方針の内容は以下の通り。http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/kaigi07/04_naibutousei.pdf)
私たちは、今回の入札契約制度改革に非常に大きな危惧を持っています。「改革」とは名ばかりの制度「改悪」であり、今後オリンピック・パラリンピックを含めた都の公共事業が、スムーズに進まない可能性が高いと感じるからです。
そもそも今回の入札契約制度改革は、小池知事が、豊洲市場の工事契約に談合の疑いがあるかのように、工事契約の落札率の高さを問題視し、「巨額かつ不透明な費用の増大」を豊洲移転延期の理由の一つにしたことに端を発しています。しかし、豊洲市場の建設工事に関して、長い時間と都民の貴重な税金を使って、知事の任命した顧問団(都政改革本部)が検証した結果、法的に指弾されるような疑惑や疑義はありませんでした。そしてこの問題を検証した、複数回の都政改革本部会議の資料や会議録を読んでみると、「巨額かつ不透明な費用の増大」の原因は、「都の入札契約制度の欠陥」にすり替えられたことがわかります(第六回都政改革本部配布資料3の11ページ参照。http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/kaigi06/05_naibutousei.pdf)。都庁の関係各局、及び東京都の公共事業に協力していただいている民間企業にとっては、迷惑千万な話です。
私は、小池知事をはじめとするその周辺の方々を、極めて不誠実だと感じます。なぜなら、豊洲移転延期を発表した当時、「巨額かつ不透明な費用の増大」は「移転延期」の理由の一つと、センセーショナルに問題提起をしておきながら、その検証の結果として、法的に指弾されるような疑惑や疑義が「無かった」ことは、全く都民に報告されていないからです。検証の結果、何も無かったならば、なぜ「無かった」と都民に正直に報告しないのでしょうか。
小池知事が自らに都合の良い情報しか都民に公開しないことを、私は以前から指摘してきました。例えば豊洲市場の建屋の安全性を担保する、「検査済証」が昨年12月28日に発行されていたにもかかわらず、私が代表質問で指摘する本年2月28日まで、全く公にしませんでした。その間およそ丸2か月。情報公開が大切だというなら、豊洲市場の安全性に関する肯定的な情報も、都民に知らされるべきでしょう。
豊洲市場の建設工事契約に、法的に指弾されるような疑惑や疑義が「無かった」にもかかわらず、知事もその側近たちも誰もそのことを発表せず、また豊洲市場の建屋の「検査済証」が発行されていたにもかかわらず、私が指摘するまで公にしようとしなかったこうした事例は、小池知事の情報操作、印象操作と言われても抗弁の余地はありません。「情報公開が東京大改革の一丁目一番地」という言葉が、極めて虚しく響きます。