都電軌道敷の緑化事業始まる
2020年(平成32年)東京五輪・パラリンピックに向けて、花と緑による環境美化の象徴として、都電軌道式の緑化事業がいよいよ始まりました。これは下記のとおり、一昨年の都議会本会議質問がきっかけとなり実現したものです。今年は実証実験の年として、生育状況やメンテナンス方法などを調査検討し、2020年までに新宿・豊島・北・荒川の各区を結ぶ専用軌道10.6キロすべてをグリーンベルトにする計画です。これから温かくなり、緑がさらに美しくなる頃が楽しみです。どうぞご期待ください。
(写真は、緑化工事施工直後の平成28年2月21日、都電荒川車庫付近)
平成26年12月17日 都議会本会議での質問と答弁
(http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2014-4/02.html#01)
〇百十二番(高木けい君) 平成二十六年第四回東京都議会定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
(中略)
また、街路樹に加え、さらなる緑のネットワークの候補となるのが都電荒川線であります。かつての都電は、東京の高度成長を支えた交通機関であり、五十年前の東京五輪の際も、大会期間中の輸送の主力を担っていました。その後、輸送の中心は地下鉄へと移行しましたが、今も当時の全盛期をしのばせながら、三ノ輪橋から王子、早稲田まで運行しています。
この都電の軌道を活用し、二〇二〇年大会に向け、緑のネットワーク化を図れば、東京の新たな観光拠点が誕生する可能性があり、さらに、大会後のレガシーとして受け継がれていくと考えます。
軌道の緑化は、国内では鹿児島市など、市が主体となり、軌道事業者と連携し取り組んでいます。また、フランスのストラスブールやボルドーなど、海外の都市でも実施されており、景観の向上のみならず、ヒートアイランド対策や遮音対策等に大きく寄与しているといわれています。
そこで、都電荒川線を活用し、緑のネットワーク化を進め、美しい都市空間の創出に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。(後略)
〇交通局長(新田洋平君) 都電荒川線を活用した緑のネットワーク化についてでございますが、交通局ではこれまでも、沿線の景観向上を図るため、地元区等と連携し、バラやツツジなどによる沿線緑化に取り組んでまいりました。
現在、都は荒川線を含む補助八一号線の整備を進めており、このうち、向原停留場から東池袋四丁目停留場の区間は、地元からの意向を踏まえ、道路整備の中で軌道内緑化も行うこととしております。交通局としましても、緑化後の維持管理作業に協力してまいります。
今後、安全な運行や線路等の保守点検への影響、生育に適した品種等の検証を行うなど、荒川線を活用した緑のネットワーク化に向けて関係機関や地元区等と積極的に連携協力し、世界で一番美しい都市東京の実現に貢献してまいります。